四十肩・五十肩は安静にした方がいい?動かした方がいい?どれくらいで治る?(後編)

肩がズキッと痛む。腕を上げようとすると、そこだけ時間がゆっくりになるように重たく感じる。
四十肩・五十肩は、ある日ふと訪れて、日常の動きを一つひとつ気づかせてくる“静かな訪問者”のような存在です。

この症状は決して珍しいものではなく、多くの方が数カ月から一年ほどかけてゆっくり回復していきます。ただ、正しい理解と少しの工夫があるだけで、痛みの波はずっと穏やかに変わっていきます。

前回のブログ(前編)では四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)はどうしてなるの?どうして痛いの?どんな事に困るの?安静にした方がいいの?動かした方がいいの?これらにお答えしてきました。

今回は、

  1. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)いつから動かしてよいか
  2. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)どんな運動をしたらいいのか
  3. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)どれくらいの期間で治るのか
  4. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)日常生活で気をつけること
  5. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)【後編】まとめ

こうした疑問を、わかりやすく整理してお伝えします。
肩のつらさと付き合う毎日に、少しでも道しるべとなればうれしく思います。

目次

  1. 四十肩・五十肩いつから動かしていいの?
  2. 四十肩・五十肩どんな運動したらいいの?自分でできるストレッチ、運動はあるの?
  3. 四十肩・五十肩どれくらいの期間で治るの?
  4. 四十肩・五十肩日常生活で気をつけること
  5. 四十肩・五十肩まとめ【後半】

1.四十肩・五十肩いつから動かしていいの?

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、「いつから動かすか」 がとても大事なポイントです。実は、痛みの時期によって動かし方が全く変わります。

痛みの状況によっての動作の程度を時期に分けて説明していきます。

  1. 痛みが強い時期(1~3ヶ月)
  2. 痛みが落ち着いてきた時期(1~6ヶ月)
  3. 回復していく時期(6ヶ月~1年)

① 痛みが強い時期(1〜3ヶ月)

この時期は・・・

  • じっとしていてもズキズキ痛い
  • 夜に痛みで目が覚める

こんな状態がよくあります。

無理に動かすと悪化しやすい時期ですが、まったく動かさないのもダメです。 痛くない範囲で、軽くゆらす・肩甲骨を動かす程度ならOK。

② 痛みが落ち着いてきた時期(1〜6ヶ月)

安静時の痛みが減り、「動かす時だけ痛い」という状態になってきたら、ここが動かし始めるタイミング

この時期に動かさないと、肩がどんどん固まってしまい回復が遅くなります。

 少し痛くても、ゆっくり肩を動かす練習を始めましょう。

③ 回復していく時期(6ヶ月〜1年)

痛みがさらに減ってくると、肩の動きも戻ってきます。

 ストレッチや軽い筋トレもOK。動かした分だけ良くなります。

動かしていいタイミングを簡単に判断する方法

動かしてOKのサイン

  • 夜の痛みがなくなってきた
  • 何もしてない時のズキズキが減ってきた
  • 動かす時だけ痛い状態になってきた

まだ無理しない方がいいサイン

  • 安静にしていてもズキズキ痛む
  • 夜中や朝方に強く痛む
  • 触るだけで痛い

肩関節周囲炎は、夜の痛みがなくなり、何もしていない時のズキズキが減り、動かす時だけ痛い状態になってきて、痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動かしていくのが一番の近道です

2.肩関節周囲炎になったら、どんな運動をしたらいいの?自分でできる運動・ストレッチはあるの?

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、痛みの時期によって「していい運動」が変わります。
ここでは、時期別に安全で効果的な運動をわかりやすくご紹介します。

肩関節周囲炎の運動は、単に動かすためではなく、
肩を固めない・痛みを減らす・動きを取り戻す・再発を防ぐために行うものです。
本人のペースで少しずつ動かすことで、自然な回復を早める効果があります。


① 痛みが強い時期(急性期)

この時期は無理に動かすと悪化しやすいため、やさしい運動だけ行います。

● 振り子運動(コッドマン運動)

肩の力を抜いて、腕を下にだらんと下げたまま、小さく前後・左右にゆらす運動です。
肩への負担が少なく、痛みが強い時期でも行えるのが特徴です。
まずは1回1〜2分、ゆっくり続けましょう。

● 肩甲骨まわし

肩に手を置き、大きな円を描くように回す運動です。
肩関節そのものより、肩甲骨をしっかり動かすイメージで行うと、肩の負担が和らぎ痛みも軽減しやすくなります。

●首まわりの軽いストレッチ

肩の痛みは首の緊張とも深く関係しています。
左右にゆっくり首を倒すだけの簡単なストレッチでも、肩のこわばりが和らぎ、動かしやすさにつながります。


② 痛みが落ち着いてきた時期(慢性期)

ここからは 積極的に動かすことが回復のカギ になります。

● タオルストレッチ(前方挙上)

タオルを両手で持ち、息を吐きながらゆっくり頭の上へ持ち上げていくストレッチです。
肩の前方向の動きを取り戻すのに効果的で、無理のない範囲で行うのがポイントです。

● 棒体操(外旋・内旋)

つえや棒を使い、腕を外側・内側にゆっくり動かす運動です。
動きを取り戻すのにとても効果的です。

● 壁歩き(壁這い)

壁に向かって立ち、指を使って「とことこ」と壁を登るように腕を上げていく方法です。
肩の力を使わずに動かせるので、とても安全。 痛みが出る手前で止めて、ゆっくり下ろします。 固まった肩の動きを自然に広げてくれます。


③ 回復してきた時期(回復期)

痛みがかなり減り、動きが出てきたら、筋力を戻していきます。

● チューブトレーニング(軽め)

肘を脇につけて、チューブを外側・内側に引く運動。
肩のインナーマッスルが鍛えられ、再発予防にもつながります。

● 肩甲骨エクササイズ(寄せる・下げる)

胸を軽く張って、肩甲骨をギュッと寄せて5秒キープ。
肩の安定性が高まり、動きがスムーズになります。


運動のポイント

  • “ズキッ”とする痛みは無理をしない
  • 心地よい伸び感ならOK
  • 温めてから運動するとさらに効果的
  • 毎日少しずつ続けることが大切
  • 痛みが強い日は短時間でOK

肩関節周囲炎は、「痛みが強い時期はやさしく、落ち着いてきたらしっかり動かす」 この流れが早期回復につながります。肩関節周囲炎は、急に激しい運動をする必要はありません。安全にできる小さな動きを、毎日少しずつ続けることが改善への近道です。ご自宅でも無理のない範囲で試してみてくださいね。

3.四十肩・五十肩はどれくらいで治るの?

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、「いったいどれくらいで治るの?」と多くの方が気になるところです。実は個人差が大きいのですが、多くの人が“段階を踏んで少しずつ良くなっていくという共通点があります。

ここでは、一般的な治り方の流れと期間を、わかりやすくお伝えします。


① 痛みが強い時期(急性期)/約1〜3か月

この時期は、何もしなくてもズキズキ痛むことがあり、夜間痛も出やすい時期です。
多くの方が「動かすと痛いから動かしたくない」と感じます。

この期間はムリに動かさず、痛みを悪化させないことが最優先。


② 肩が固まりやすい時期(拘縮期)/約1〜6か月

痛みが少し落ち着く一方で、肩が固まって動かしにくくなる時期です。
「上に上がりにくい」「背中に手が回らない」などの不自由さを感じやすくなります。

この時期に無理のない運動を始めると、回復がスムーズに。


③ 動きが戻ってくる時期(回復期)/約6か月〜1年

固まった肩がゆっくりと動きやすくなり、
日常の家事や動作が楽になってくる時期です。

ストレッチや軽い筋トレを続けることで、動きの回復がさらに進みます。


■ 全体としてどれくらいで治る?

一般的には——

✔ 6か月〜1年ほどで改善することが多い

✔ 早い人で3〜4か月、長い人は1年以上かかることもある

というのが現実です。

回復まで時間はかかりますが、ほとんどの方は自然に良くなる病気です。


■ 回復を早めるためにできること

  • 痛みが強い時期は無理をしない
  • 落ち着いてきたら、軽い運動やストレッチを続ける
  • 温めて血流を良くする
  • 猫背や巻き肩にならないよう姿勢を整える

小さなことの積み重ねで、回復がぐっと早くなります。

四十肩・五十肩は、
痛みの時期 → 固まる時期 → 回復の時期
という流れで治っていきます。時間はかかりますが、適切にケアすれば必ず良くなっていく症状です。

焦らず、自分のペースで向き合っていきましょう。

4.四十肩・五十肩のとき、日常生活で気をつけることは?

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、痛みが長く続きやすく、日常生活のちょっとした動きが負担になることがあります。
症状を悪化させないためにも、毎日の生活で“少し意識するだけ”で変わるポイントをまとめました。


① 急に腕を上げる・ひねる動きをしない

洗濯物をパッと上に上げる、急に後ろへ手をまわす、などの動作は肩に負担がかかります。
ゆっくり動かす・痛い方向に急に動かさないことが大切です。


② 痛みが強い日は無理して動かさない

痛みが強い時期に「治したいから動かそう」と頑張りすぎると、かえって悪化することがあります。
痛みが落ち着くまでは最小限の動きでOK。
余裕がある日に少しずつ動かしていきましょう。


③ 肩を冷やさないようにする

冷えると血流が悪くなり、痛みやこわばりが強くなることがあります。
お風呂で温めたり、夜は肩を冷やさないようにするだけでも症状が軽くなります。


④ 姿勢に気をつける(猫背はNG)

猫背や巻き肩の姿勢は、肩関節に負担をかけてしまいます。
座るときは背筋を伸ばし、肩の力を抜くよう意識してみましょう。


⑤ 高い場所のものを取る動作は避ける

肩を上げすぎる動きは痛みが出やすく、炎症も悪化しやすい動作です。
普段使うものは、できるだけ胸の高さくらいに配置するのがおすすめです。


⑥ 重い荷物を持ち続けない

買い物袋を長時間持つ、肩にかける重いバッグを使う…
これらは肩や腕に負担がかかり、痛みを長引かせてしまいます。
できるだけ軽い荷物・分散させた持ち方を心がけましょう。


⑦ 痛みが落ち着いてきたら、少しずつ動かす

痛みが軽くなってきたタイミングで軽いストレッチを始めると、肩が固まるのを防げます。
無理なく、心地よい範囲で少しずつ動かしましょう。

四十肩・五十肩は、無理をせず、肩に負担の少ない生活を意識することで、痛みを悪化させずに自然な回復を促すことができます。
毎日の生活の中でできることから、少しずつ取り入れてみてください。

5.四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)【まとめ】

四十肩・五十肩は、時間をかけて良くなる“回復の旅”のようなものです。最初の痛みが強い時期は無理をせず、炎症が落ち着いてきたら少しずつ肩を動かしていくことが大切です。運動の目的は、縮こまった関節や筋肉に再び余裕を取り戻すこと、痛みを和らげ、日常生活の動きを気持ちよくすることにあります。タオルを使った軽いストレッチや、肩甲骨をそっと動かす体操など、自宅でできる工夫でも回復を後押しできます。
また、日常生活では「痛みの出る角度を避ける」「急な動きを控える」「冷やしすぎない」など、小さな気遣いが肩の負担を軽くしてくれます。回復の期間には個人差がありますが、多くの方は数カ月から一年ほどで改善していきます。焦らず、こわばった肩に“ゆとり”を返していくような気持ちで向き合うことが、良い回復につながります。肩の痛みは決してあなた一人の問題ではありません。日々のケアを続けながら、やさしい回復のリズムを一緒につくっていきましょう。ビーボでは専門の知識を持った機能訓練指導員が2名おりますので、それぞれの利用者様のニーズにお答えできると思います。是非体験してみてください!肩関節周囲炎の方だけでなく、パーキンソン病変形性膝関節症高次脳機能障害認知症の方もトレーニングされています!ビーボスタッフ一同お待ちしております!!