認知症の方への対応の仕方③(認知症介護の原則を守る為に知っておきたい9つの法則)

前回のブログでは認知症の方への対応の心得や原則、9つある法則の内、第2~5法則を紹介しましたが、今回はその続きの第6法則から最後の第9法則まで紹介させていただきます。法則を知ることで、認知症の方も介護者の方も安心して過ごせる世界になると思いますので、是非ご覧いただき参考にしていただければ幸いです。

第6法則 こだわりの法則

「ある一つの事に集中すると、そこから抜け出せない。周囲が説明したり説得したり否定したりすればする程、逆にこだわり続ける」という特徴がその内容です。

「こだわりの原因が分かればその原因を取り去るようにする」

「このままにしておいても差し支えなければそのままにしておく」

「第三者に入ってもらいこだわりを和らげる」「地域の理解・協力を得る」

「一手だけ先手を打つ」

「本人の過去を知る」

「長期間は続かないと割り切る」

などの方法が認知症の人のこだわりに対する基本的なやり方です。

第7法則 「作用・反作用の法則」

認知症の人に対して強く対応すると、強い反応が返ってきます。認知症の人と介護者の間に鏡をおいて鏡に映った介護者の気持ちや状態が、認知症の人の状態です。

第8法則 「症状の了解可能性に関する法則」

老年期の知的機能低下の特性や、第1~7法則でまとめたような認知症の特徴を考えれば、認知症の症状のほとんどは、認知症の人の立場になってみれば十分理解できるものである、という法則です。認知症の人の言動を正しく理解するうえでは、過去の経験が現在の認知症の症状と深い関連を持っている場合も少なくないことを覚えておいてください。周囲の人は、本人の生活歴・職業歴を詳しく知って、認知症の人の気持ちを理解するように努めることが大切です。

第9法則 「衰弱の進行に関する法則」

「認知症の人の体力の速度は、認知症のない人と比べて速い」という特徴を言います。

個人、介護などの社会的・家庭的要因や発症年齢により衰弱進行の速さが異なって来ることもありますが、一般的には認知症の人は衰弱の進行が速いという統計がみられます。

まとめ

9つの法則を知り理解し実践することで、介護に関する原則「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする」を守ることができるのです。認知症の人を介護することは、時には大変つらく苦労が多いものです。家族や社会、経済的にも多くの問題に直面すると思います。そんなときも、「認知症の人が形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする」という原則を守るために、名優になる事で心の負担をほんの少しでも軽くすることになるはずです。つまり認知症の人が自分は周囲から認められている。ここは安心して住めるところだと感じられるように、日頃から対応することが、認知症の人にとっても、介護する人にとってもQOLを上げる、一番楽で上手な介護になるのです。

認知症の方を介護されている方は、多くの悩み事があると思いますが、一人や家族だけで抱え込まず、専門的な知識を持った人に気軽に相談してみてはいかがでしょうか?ビーボに来所してもらって、介護者の負担を少しでも減らし、認知症の方が生き生きした生活をしていただけるよう、お手伝いして寄り添っていきたいと思っております。