ちょっと歩くと足がだるくて歩けない。脊柱管狭窄症が楽になる運動

近くのスーパーに行くまでの間でも、何度も休憩しないとたどり着かない。料理をしていると足がしびれてだるくなって、すぐに座りたくなってしまう。お医者さんに脊柱管狭窄症ですと言われたものの、痛み止めと大量の湿布を渡されて途方にくれている方は、今回のブログを読んでいただくと、悩みの解決につながったり、ヒントになると思います。少しでも心ある方やご家族で困っている方がいる人は是非読んでみてください!
目次
- 脊柱管狭窄症とは?
- 脊柱管狭窄症の原因は?どうして脊柱管が狭くなるの?
- 脊柱管狭窄症の症状は?どんな症状があるの?
- 柱管狭窄症の治療は?どうやって治すの?
- 脊柱管狭窄症の予防は?
- 脊柱管狭窄症の間欠性跛行を改善するために取り組むことは?
- 脊柱管狭窄症の間欠性跛行を改善するために取り組むことが効果的である具体的な理由
- 脊柱管狭窄症における間欠性跛行を改善する具体的な運動
- まとめ
1.脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は、背骨にある「脊柱管」というトンネルが狭くなってしまう病気です。このトンネルの中には脊髄という大切な神経が通っています。脊柱管が狭くなると、神経が圧迫されてしまい、いろいろな痛みやしびれが起こります。背骨や靭帯が厚くなったり、変形したりします。
2.脊柱管狭窄症の原因は?どうして脊柱管が狭くなるの?

脊柱管が狭くなる原因はいくつかありますが、主に関係していることは年をとることや怪我や病気によって背骨や靭帯が厚くなったり変形したりすることです。
【原因】
加齢:年齢とともに椎間板が変性し、骨や靭帯が厚くなることで脊柱管が狭くなることが多い。
椎間板ヘルニア:椎間板が突出し、脊柱管を圧迫することがある。
骨棘(こつきょく):骨の成長によって形成される突起物が脊柱管を狭めることがある。
外傷:骨折や脱臼などの外的要因によって脊柱管が狭くなることがある。
先天的要因:生まれつき脊柱管が狭い場合もある。
3.脊柱管狭窄症の症状は?どんな症状があるの?

脊柱管狭窄症になると、足腰の痛み、特に立ったり歩いたりするときに痛みが強くなったり、足やお尻にしびれや重い感じがすることがあります。特に歩くことが大変になり、少し歩くと痛みが出て、休むとまた歩けるようになるという脊柱管狭窄症特有の「間欠性跛行」という症状があります。
【症状】
腰痛:特に立っているときや歩いているときに悪化することが多い
下肢のしびれや痛み:特に足やおしりに放散する痛み(坐骨神経痛)が見られることがある
筋力低下:足の筋力が低下することがある
歩行障害:歩行時に痛みやしびれが生じ、距離を歩くことが困難になることがある
4.脊柱管狭窄症の治療は?どうやって治すの?

脊柱管狭窄症の治療法はいくつかあります。痛みを和らげるための薬を飲んだり、運動やリハビリによって筋肉を強くして痛みを軽くすることができます。症状がひどい場合は手術をして狭くなった部分を広げることもあります。
【治療】
保存療法:鍼灸治療ー鍼灸による治療が血流の改善、筋肉の緊張緩和、特定のツボへの刺激が症状の改善に有効であることが示されています。
理学療法・運動療法ーストレッチや筋力トレーニングを行い、症状の改善を図ります。
薬物療法ー鎮痛剤や抗炎症薬を使用します。
生活習慣の改善ー体重の管理や姿勢の改善が推奨されています。
手術療法:保存療法で効果がない場合や症状が重度の場合、手術が検討されることがあります。手術には、脊柱管を広げるための手術や、椎間板や骨棘を除去する手術が含まれます。
5.脊柱管狭窄症の予防は?

脊柱管狭窄症を予防するためには、保存療法にもあるように、正しい姿勢を保ち、適切な体重を維持し、定期的な運動を行って筋力を維持するといった、生活習慣が重要になってきます。
6.脊柱管狭窄症の間欠性跛行を改善するために取り組むことは?

脊柱管狭窄症で一番厄介な症状が、間欠性跛行ではないでしょうか?少し歩くと足がだる重くて動かない、痛みが出てきて少し休まないと進めない。こんな症状で運動なんてできるのでしょうか?改善する方法があるのでしょうか?
- 筋力の強化
- 柔軟性の向上
- 血行促進
- 姿勢の改善
- 神経の可動性の向上
- 痛みの管理
- 体重管理
【間欠性跛行(かんけつせいはこう)とは?】
間欠性跛行は、歩いているときに足が痛くなったり、しびれたりして、歩けなく なることを言います。少し休むとまた歩けるようになりますが、また歩き始めると同じように痛くなります。
【間欠性跛行のメカニズム】
血流障害:脊柱管の狭窄により神経根の血流が減少し、虚血状態が生じます。これにより歩行中に下肢に痛みやしびれが発生します。
機械的圧迫:立位や歩行時に脊柱が伸展すると、脊柱管がさらに狭くなり、神経根が圧迫されます。この圧迫が神経の機能を低下させ、痛みを引き起こします。
神経の変性:圧迫が続くことで、神経組織が変性し、マクロファージが活性され、炎症性の化学物質が放出されます。これがさらなる痛みを引き起こす要因となります。
【間欠性跛行の症状が自転車運動や体幹前屈運動で症状が出ない理由】
体幹を前屈させる姿勢や自転車運動を行うと、脊柱管の圧迫が軽減されるため、症状が緩和されることがあります。具体的な理由は以下の通りです。
脊柱管の拡張:前屈姿勢になることで、脊柱管が広がり、神経根への圧迫が軽減されます。これにより、痛みやしびれが和らぎます。
筋肉のリラクゼーション:自転車運動は下肢の筋肉を使いながらも、体幹を前屈させることで、腰部の筋肉がリラックスし、圧迫が減少します。これにより、血流が改善され神経への酸素供給が増加します。
運動による血流改善:自転車運動は下肢の血流を促進し、神経の栄養供給を改善します。これにより運動中の痛みが軽減されることが多いです。
7.脊柱管狭窄症の間欠性跛行を改善するために取り組むことが効果的である具体的な理由

- 筋力の強化
- 柔軟性の向上
- 血行促進
- 姿勢の改善
- 神経の可動性の向上
- 痛みの管理
- 体重管理
1️⃣筋力の強化
腹筋と背筋の強化:腹筋と背筋を強化することで、脊柱を支える筋肉が強化され、姿勢が改善されます。これにより、脊柱管への圧力が軽減され、神経の圧迫が緩和される可能性があります。
下肢の筋力強化:足の筋肉(特に大腿四頭筋やハムストリングス)を強化することで、歩行時安定が向上し、疲労感や痛みを軽減することができます。
2️⃣柔軟性の向上
ストレッチ運動:ハムストリングスや腰部のストレッチは、筋肉や靭帯の柔軟性を高め、可動域を広げます。これにより、歩行時の動きがスムーズになり、痛みを感じにくくなることがあります。
3️⃣血行促進
有酸素運動(ウォーキングや水中運動):これらの運動は血行を促進し、筋肉や神経への酸素供給を改善します。血流が良くなることで、痛みの軽減や回復が促進されることがあります。
4️⃣姿勢の改善
骨盤の前傾運動:正しい姿勢を保つことで、脊柱管への圧力が軽減され、神経の圧迫が緩和されます。姿勢が改善されることで、歩行時のバランスも向上します。
5️⃣神経の可動性の向上
運動によって筋肉や靭帯が柔軟になると、神経の可動性も向上します。これにより神経が圧迫されにくくなり、間欠性跛行の症状が改善される可能性があります。
6️⃣痛みの管理
運動はエンドルフィン(自然な鎮痛物質)の分泌を促進し、痛みを軽減する効果があります。また、運動によってストレスが軽減され、痛みの感受性が低下することもあります。
7️⃣体重管理
定期的な運動は体重管理にも寄与します。体重が減少することで、脊柱や下肢への負担が軽減され、症状の改善が期待できます。
8.脊柱管狭窄症における間欠性跛行を改善する具体的な運動

脊柱管狭窄症による間欠性跛行の改善には、特定の運動療法が効果的です。これらの運動は、神経の圧迫を軽減し、血流を改善することを目的としています。以下に具体的な運動を紹介します。
- 前屈運動
- 自転車運動
- 椅子に座った前屈
- ストレッチ運動
- コアトレーニング
1️⃣前屈運動
目的: 脊柱管を広げ、神経の圧迫を軽減する。
方法:足を肩幅に開いて立ちます。
ゆっくりと上体を前に倒し、手を膝や床に置きます。
2️⃣自転車運動
目的: 下肢の筋肉を鍛え、血流を改善する。
方法:自転車に乗るか、エアロバイクを使用します。
軽い負荷で、ゆっくりとしたペースで運動します。
10〜15分間の運動を目指し、無理のない範囲で行います。
3️⃣椅子に座った前屈
目的: 座った状態で脊柱管を広げる。
方法:椅子に座り、足を肩幅に開きます。
上体を前に倒し、手を膝や足首に置きます。
この姿勢を数秒間保持し、ゆっくりと元の位置に戻ります。
これを数回繰り返します。
4️⃣ストレッチ運動
目的: 筋肉の柔軟性を高め、腰部の緊張を緩和する。
方法:床に座り、片足を伸ばし、もう片方の足を曲げます。
伸ばした足のつま先に向かって上体を倒します。
この姿勢を数秒間保持し、反対側も同様に行います。
5️⃣コアトレーニング
目的: 体幹の筋力を強化し、姿勢を改善する。
方法:プランク(肘をついて体を一直線に保つ)を行います。
30秒から1分間保持し、数回繰り返します。
まとめ

脊柱管狭窄症になると、少し歩くだけで下肢にしびれや痛みが出現して、どこかに出かけたり、運動をする機会が極端に減ってしまい、転倒や寝たきりになるリスクが高まってしまいます。今回のブログで脊柱管狭窄症のことを知ってもらうことで、予防法や運動やトレーニングなどでの改善方法がわかったと思います。手術される前にまずはご自分の力で改善していくことで日常生活が充実してくるのではないかと思います。しかし、間違った方法や三日坊主では改善どころか悪化することもあるので医師や専門の知識を持ったトレーナーが必要になってくると思います。ビーボでは専門の知識を持った機能訓練指導員が2名おりますので、それぞれの利用者様のニーズにお答えできると思います。是非体験してみてください!脊柱管狭窄症だけでなく、パーキンソン病や変形性膝関節症、高次脳機能障害、認知症の方もトレーニングされています!ビーボ一同お待ちしております!!