身体を全体として見るということの大切さ-アナトミートレインの考え方と高齢者の機能訓練-

膝が痛いから、膝だけを見る」だけでいいのでしょうか?

膝が痛いとき、私たちはつい「膝に問題がある」と考えます。

腰が痛ければ腰。
肩が痛ければ肩。

もちろん、痛みがある場所を詳しく調べることは大切です。

しかし、人の身体は本当に、それぞれの部分がバラバラに働いているのでしょうか?

例えば、膝に負担がかかっている場合でも、次のようなことが関係している場合があります。

・足首の動きにくさ
・股関節の動き
・骨盤の位置
・体幹の安定性
・普段の歩き方や身体の使い方

つまり、膝の問題を考えるときも、膝だけを見ればいいとは限らないということです。

身体は「部分の集まり」ではない

私たちは学校の授業やトレーニングなどで、「大腿四頭筋」「大胸筋」「広背筋」と、一つひとつの筋肉を分けて学びます。

もちろん、それぞれの筋肉を理解することはとても大切です。

しかし実際に身体を動かすときは、一つの筋肉だけが単独で働いているわけではありません。

立つ。
歩く。
手を伸ばす。
物を持ち上げる。

こうした動きでは、身体のさまざまな部分が互いに協力しています。

そのため身体を考えるときには、「この筋肉が弱いから、この筋肉を鍛える」という視点だけでなく、「身体全体がどのようにつながり、協力して動いているのか」という視点も大切になります。

身体の「つながり」に注目する

身体の中には、筋肉だけでなく、筋肉やその他の組織を包み、支え、つなぐ組織があります。

こうした身体のつながりに注目すると、私たちの身体は、バラバラの部品が集まったものではなく、さまざまな部分が関係し合う一つの身体として見ることができます。

この「身体のつながり」に注目した考え方の一つが、今回から紹介していくアナトミー・トレインです。

痛い場所だけを見ない

ここで大切なのは、「痛い場所を見なくていい」ということではありません。

膝が痛ければ膝を確認する。
肩が痛ければ肩を確認する。

これは当然大切です。

しかし、それだけで終わらせず、「なぜそこに負担がかかっているのだろう?」と考えることも大切です。

例えば膝に痛みがある場合、次のように他の部分の動きが影響している可能性もあります。

足首が動きにくい

膝が必要以上に動く

膝に負担がかかる

実際の身体は、このように単純に一つの原因だけで説明できるとは限りません。

だからこそ、身体を一つのつながりとして見るという視点が大切になってきます。

ビーボでも、膝が痛いからといって膝だけを見るのではなく、立ち上がりや歩行など、実際の動きを確認することを大切にしています。

これから「身体のつながり」を考えていきます

今回から、身体のつながりについて少しずつ紹介していきたいと思います。

その中で取り上げるのが、アナトミー・トレインという考え方です。

難しい専門用語を覚えることが目的ではありません。

大切なのは、自分の身体を、部分だけではなく全体として見ること。

痛みがある場所。
動きにくい場所。
力が入りにくい場所。

そうした問題を考えるときに、「他の場所とのつながりはどうだろう?」という新しい視点を持つ。

それだけでも、身体を見る視野は少し広がるかもしれません。

次回は、今回のテーマをもう少し深く掘り下げながら、「筋膜とは何なのか?」について考えていきたいと思います。

筋トレデイサービス ビーボからのひとこと

私たちは、筋肉をただ鍛えるだけでなく、「その人が自分らしく動き続けるためには、何が必要なのか」を考えながら、機能訓練を行っています。

身体を部分ではなく全体として見ること。
そして、その人の可能性を信じること。

これからブログでも、身体の仕組みや運動について、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。